研究室 -Laboratry-

朝野グループ

研究課題名 昆虫外骨格の硬化システム:プログラムされた硬化パターンと形状・物理特性との関連性
研究代表者 朝野 維起(首都大学東京大学院理工学研究科)
目的・意義 昆虫は成長過程で脱皮をくりかえし、そのたびに新しい外骨格に更新する。翅などの場合、脱皮前にコンパクトに折たたまれていた状態が脱皮後解消されることで外骨格は完成形状をとる。また、完全変態昆虫の蛹の中では、完成形状の成虫外骨格がかたちづくられる。形成後の外骨格は硬化が進行することで必要な強度を得るが、硬化の過程でしばしば黒〜茶系色素の沈着が観察される。これは、硬化反応にはたらく酵素であるラッカーゼ(laccase)が、着色反応も同時に触媒するために生じる現象である。新しい外骨格が硬化する際、角・大顎の先端や脚の関節など、強度が必要かつ歪みが避けられるべき箇所の着色が速く進行するが、これはそれらの部位で硬化反応が始まるタイミングが早い可能性を示す。本研究は、ラッカーゼの活性などを指標に、場所ごとに硬化のタイミングをコントロールするための仕組み(硬化プログラム)の存在を示すことが目的である。さらに、翅などが完成形状に向かって伸展していく途上で、すでに硬化プログラムが発動している可能性も想定している。すなわち、外骨格伸展時に局所的な硬化が生じ、正しい形態形成のための力学的支持点などが順次作られる、といった仮説などについても検証したい。
期待される成果 昆虫外骨格が本来の機能を発揮させるための物理特性を与えるメカニズムとして、硬化プログラムの重要性が示される。また、外骨格の展開・伸長時にはたらくと仮定している硬化プログラムも、細胞増殖や細胞運動に頼らない新しい形態形成のメカニズムといえる。
班員との連携 適切な甲虫モデルの選択(後藤)、外骨格強度・力学的特性の計測法検討(松本(予定))など
Webサイト 作成中
昆虫外骨格の硬化システム:プログラムされた硬化パターンと形状・物理特性との関連性

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